12/16~【展示】大佛次郎と木村荘八 ―作家と画家、そして猫

洋画家・木村荘八(きむら・しょうはち、1893-1958)は、
大佛次郎の小説に多くの挿絵を寄せました。

大佛次郎1948年、木村荘八1949年(撮影:林忠彦)

 

二人は『霧笛』や『幻燈』など、
幕末・明治初期の開化期横浜、東京を舞台とした作品で何度もコンビを組みました。

「霧笛」第一回 新聞切抜 大佛次郎原作、木村荘八挿絵

作品数は20以上。

大佛は木村との関係について
「『霧笛』が多少なり成功したのは、木村さんの鍛えこんだ芸に引立てられたせいである。
小説が進む間に、私は何とも楽しくなった。」

とエッセイに書き、木村も
「楽しく仕事し二人ともだんだんトシをとりました」

と語りました。

それぞれが「楽しく」仕事をこなし、互いに作品を高め合う存在だったことが分かります。

展示では、当館が所蔵する木村荘八の挿絵原画のほか、
木村がコレクションし、没後に遺族から大佛次郎に贈られた「猫のおもちゃ絵」など、
「無類のネコ好き」同士でもあった二人の交流を紹介します。

【木村荘八による挿絵「霧笛」】

木村荘八画「霧笛」第38回挿絵(大佛次郎原作)

木村荘八画「霧笛」第38回挿絵

木村荘八が挿絵を寄せた、大佛次郎原作の開化小説「霧笛」や「幻燈」の原画約10点を展示します。
(会期中に展示替えあり)

 

【木村家から大佛家に贈られた「猫のおもちゃ絵」】

猫のおもちゃ絵「志ん板ねこづくし」

猫のおもちゃ絵「志ん板ねこづくし」

 

【木村荘八が描いた「猫の湯屋」】

木村荘八による「猫の湯屋」肉筆画

 

大佛次郎が愛蔵した猫の置物たちも厳選して展示予定。
押絵羽子板の名工・吉田永光による「猫の湯屋」の細工物も、久しぶりに展示します。
擬人化された猫たちの愛らしい姿をお楽しみください。

吉田永光による「猫の湯屋」細工物

 

【展示名】
 大佛次郎没後50年記念 2023年度テーマ展示Ⅱ
 「大佛次郎と木村荘八 -作家と画家、そして猫」

【会期】
    2023年12月16日(土)〜 2024年4月14日(日)

(前期:2023/12/16~2024/2/18
 後期:2024/2/20~4/14
 会期の前期と後期で一部資料の展示替えを行います。)

【開館時間】
 3月まで    10:00~17:00(最終入館16:30)
 4月から 10:00~17:30(最終入館17:00)

【休館日】
 毎週月曜日(祝休日の場合は翌平日)
 年末年始(12/29~1/3)
 臨時休館 ①2024/1/30(火) ②2/6(火) ③2/7(水)

【観覧料】(入館料に同じ)
 一般/200円 中学生以下/無料 20名以上の団体は150円

 *横浜市内在住の65歳以上の方は100円。(濱ともカード等をご提示ください)
 *障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料。
 *毎月23日(市民の読書の日)と第2、第4土曜日は高校生以下無料。

【同時期開催】
 公募写真展「大佛次郎×ねこ写真展2024」
 2024年1月10日(水)~4月14日(日)

【関連事業】
 横浜にぎわい座
 大佛次郎没後50年特別企画「猫尽くし  再び  名作落語の夕べ」
    愛猫家・大佛次郎にちなんだ「猫尽くし」の落語会。
    三遊亭萬橘「猫と金魚」、三遊亭兼好「猫餅」、古今亭志ん輔「猫忠」のほか、
    猫をテーマにした音曲を桂小すみが口演し「猫尽くし」を彩ります。

  [会場] 横浜にぎわい座 芸能ホール
     [日時]    2024年3月2日(土) 18:00開演(17:30開場)
     [料金]    3,200円(全席指定)
     [申込方法] 2023年12月27日(水)発売開始(電話、ホームページ10時~ 窓口11時~)
     [問い合わせ先] 045-231-2515(10:00~20:00)