2/25(土) トークイベント「修復を終えて~ポール・ルヌアールの銅版画」

テーマ展示「大佛次郎 美術の楽しみ―大佛次郎記念館コレクションより」関連事業②

トークイベント「修復を終えて~ポール・ルヌアールの銅版画」

大佛次郎記念館では、19世紀末〜20世紀初めに活躍したフランスの画家、
ポール・ルヌアールの版画(大佛次郎記念館収蔵品)5点を修復しました。

修復した作品は、テーマ展示「大佛次郎 美術の楽しみ―大佛次郎記念館コレクションより」
第3章「ポール・ルヌアール版画と修復」で、展示しています。

《ラボリ弁護士の一連のしぐさ》(3点組)1899年 (展示:1/6~1/29)
《「フロンド」紙》1899年 (展示:1/31~2/26)
《伸び上がる猫》1907年 (展示:2/28~4/16)

 

今回修復したポール・ルヌアール作品の一例

ポール・ルヌアール《フロンド紙》

ポール・ルヌアール《「フロンド」紙》 版画集『ドレフュス事件』より

この修復は、特定非営利活動法人 美術保存修復センター横浜による、
第2回「画家の思い継承を目指して―時を超えて伝える―絵画修復プロジェクト」
によって行われたものです。

美術保存修復センター横浜の「絵画修復プロジェクト」とは、
寄付を活用して公共施設の持つ美術品等を修復するプロジェクト。

トークイベントでは、「絵画修復プロジェクト」の担当者を招き、
今回のルヌアール版画の修復例をはじめとして、
日本画、油彩画など、大切な作品を長く保存し、
将来に伝えていくために必要な「修復」作業について考えます。

【講師】特定非営利活動法人 美術保存修復センター横浜
    内藤朝子、 稲﨑昌仁(表具師〈経新堂 稲﨑〉)
             「画家の思い継承を目指して―時を超えて伝える―絵画修復プロジェクト」担当

【日時】2023年2月25日(土)14 :00~約1時間 

【参加費】無料(要観覧料、事前予約不要)

【会場】2階サロン

 *講演中は、会場内は出入り自由となっております。

 *人数が多く密になるような場合には、サロンへの入場を制限する場合があります。

【問合せ先】大佛次郎記念館 TEL:045-622-5002

 

今回修復したポール・ルヌアール作品 (画像は修復後のもの)

ポール・ルヌアール《ラボリ弁護士の一連のしぐさ》(3点組)1899年

ポール・ルヌアール《ラボリ弁護士の一連のしぐさ》(3点組)1899年

ポール・ルヌアール《猫》

ポール・ルヌアール《猫》

ポール・ルヌアールの版画について

ポール・ルヌアールは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家で、
ルポルタージュの素描家としても人気を博していました。
まだ報道写真が希少だった当時、取材現場の情景を鋭くスケッチし、
版画で表現する描写力や芸術性が高い評価を得ていました。 

当館では大佛次郎の旧蔵資料として、
ポール・ルヌアールの『ドレフュス事件L’Affaire Dreyfus』(1899)
ならびに
『動き、身振り、表情Mouvements, gestes et expressions』(1907)
という2つの版画集所収の作品、約300点を所蔵しています。
版画のリストは、所蔵資料目録の愛蔵品で、ご覧いただけます。

今回のプロジェクトにより、
版画集『ドレフュス事件』より2作品、
『動き、身振り、表情』より 《伸びあがる白猫》1作品、
計3作品5点の修復が実現しました。