「パリ・コミューン150年 大佛次郎記念館カリカチュアコレクション」展 会場:日仏会館(恵比寿))
本年2021年は、普仏戦争の講和に反対し立ち上がったパリ市民による自治政権1871年パリ・コミューンから150年の節目の年です。
これを記念し、大佛次郎記念館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)では、日仏会館・フランス国立日本研究所との共催により、東京・恵比寿の日仏会館において展覧会を開催します。
デュパンダン「コミューンの防衛-1871年」
横浜生まれの作家・大佛次郎は、1930年代からパリ・コミューンを題材にしたノンフィクションの構想を温め続け、作品は1964年、フランス4部作*の最後を飾る『パリ燃ゆ』として結実しました。
*大佛次郎のフランス4部作とは・・・ 『ドレフュス事件』(1931)、『ブーランジェ将軍の悲劇』(1936)、『パナマ事件』(1960)、『パリ燃ゆ』(1964)の4作
本展では、大佛次郎が執筆の際に収集した資料を核とし、その後記念館が拡充したコレクション(カリカチュア約2600点、ポスター約150点)の中から40点を選び、書籍等の資料約10点とあわせて紹介します。

ピロテル「執行」 普仏戦争の講和に際し、フランスを表す女性の右腕を泣きながら切断するのはティエール(右)とファーブル。
これら資料の多くは粗末な紙に刷られたものですが、150年の歳月を経てなお、私たちに多くのことを語りかけてくれます。

モロク「田舎共和国行政長官ティエール閣下へ」亡霊たちパリコミューンを徹底的に武力弾圧したティエールに対し、1834年トランスノナン街の虐殺犠牲者と1871年パリ・コミューンの犠牲者たちが手を携え、亡霊となって訴えかけている。
大佛の愛した「民衆」の切実な叫びのほか、大衆に訴え「世論」を形成するための情報操作、メディアをめぐる政府とパリ・コミューンの緊張、あるいはパリ・コミューンが抱えた国際的事情など、そこからは様々な状況が伝わってきます。これらメディアや情報に関するいろいろな事柄は、一昨年来のコロナ禍のなかにあって、私たちが直面してきた問題にも通ずるものです。
150年前のパリ民衆のエネルギーと「パリ燃ゆ」にこめた大佛次郎の思いを、東京・恵比寿の地で多くの方に感じていただきたいと思います。
《展示概要》
【展示名称】
「パリ・コミューン150年 —大佛次郎記念館カリカチュアコレクション」
―Il y a 150 ans, la Commune de Paris ―les caricatures politiques de la collection du Musée mémorial de Jiro Osaragi
【展示会場】 日仏会館(恵比寿)2階ギャラリー(東京都渋谷区恵比寿 3-9-25)
Galerie de la Maison franco-japonaise (2F) (Ebisu)
【展示期間】 2021年11月14日(日)~2021年11月24日(水)
【開館時間】 12:00~17:30 (最終入館は、閉廊の30分前)
【観覧料】 無料
【主催】 大佛次郎記念館(横浜市芸術文化振興財団)
【共催】 日仏会館・フランス国立日本研究所
※新型コロナウィルス感染症の拡大状況によっては、予定を変更する場合がございます。ご来館の前にホームページ等で最新の状況をご確認ください。
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