女子美術大学付属中学校2年生による挿絵「猫のいる日々」

現在、大佛次郎記念館では、1階ロビーの一部を使い、女子美術大学付属中学校2年生が描いた挿絵138点を展示しています。

女子美術大学付属中学校2年生による挿絵展

大佛次郎のねこを題材にした10篇のエッセイや童話を読み、挿絵を描くというのが、夏休みの宿題として出されました。

猫の風呂番

「猫の風呂番」(エッセイ)

ある寒い日、風呂に入ろうとした大佛次郎は、バスタブの蓋の上に猫がいるので入るのをあきらめます。しかし家人の話によると、猫はまるで女王様のように浴室で快適に暮らしているのでした。

 

白猫白吉 小猫がみたこと 隅の隠居

「白猫白吉」(小説)

小猫の白吉は、ネズミに驚いて逃げたことを人間たちに笑われ、自分が大きな象だったら、どんなに嬉しいだろうと考える。すると白吉の体が大きくなっていき、足は電信柱より太く、背は高い木ほどの高さになっていき・・・。

 

「小猫がみたこと」(小説)

月の明るい夜、生まれて初めて家の塀の外へ出た小猫は、大きなリュックサックを背負った兵隊姿の人間に出会います。何が起こったのか不思議に映る、小猫の目線から見た復員兵の帰郷を描いた作品。

小猫がみたこと 隅の隠居 藤の花と猫

「隅の隠居の話」(エッセイ)

いつも部屋の隅に蹲(うずくま)っているので「隅の隠居」は、ほかの猫のように外で遊ばず、人に媚(こ)びず、いつも超然としています。自分らしく生き、気概を持ち続けたその姿勢を、大佛は「猫としても立派な奴だったと思う」と称賛しています。

 

「藤の花と猫」(エッセイ)

大佛家には白い山藤が咲き乱れる藤棚があり、中二階にある書斎から同じ高さで花を眺めることかできます。
花の中を歩いたり、藤棚の下で花びらを体に乗せながら眠る猫を見つめて、いくらなんでも猫が多すぎる、減らさなければならないと、大佛は猫に対するクーデターを考えます。

 

困ったこと スイッチョねこ

 

「困ったこと」

大佛家の庭の池には金魚がいたが、猫によって一匹もいなくなってしまいました。
すると今度は、猫たちは、隣家の金魚をせっせと釣って来るようになってしまいます。困り果てた大佛は・・・。

 

「スイッチョねこ」(小説)

ある秋の日、白吉が虫たちの声を聞いていると、あくびをした口の中にスイッチョが飛び込み、思わず飲み込んでしまいました。スイッチョはお腹の中で鳴き続け、白吉は眠れなくなってしまいます。
さて、スイッチョはどうなったか? 大佛次郎が「一代の傑作」と自賛する作品。

 

スイッチョねこ 客間の虎 新しい家族

「客間の虎」(エッセイ)

多くの猫を飼い、海外の猫文化にも関心が深い大佛次郎。引っ越した前の家に戻ってしまう大佛家の猫「トンベエ」や、その子ども「小トン」など、愛しい飼い猫との思い出のほか、猫と暮らして観察する中で気付いたことを語る、探求心あふれる作品です。

 

「新しい家族」(エッセイ)

昭和9年(1934)、大佛次郎は知人からシャム猫の子猫二匹を贈られます。
シャム猫と初めて対面する日、猫の到着を待って心が浮き立つ大佛夫妻のユーモアあふれる会話と、元気で可愛らしいシャム猫たちの描写が際立つ一作です。

 

「舞台の猫」(エッセイ)

大佛次郎は、劇場で歌舞伎や舞踊などの舞台芸術を観る機会が多くありました。そんな中で、本物の猫が舞台に迷い出たのを見たことが、二度あるというのです。いったいどんな結末になったのやら・・。

 

いずれの作品も、『猫のいる日々』に収録された作品ばかり、

挿絵と共に、大佛次郎の作品もお楽しみいただける展覧会となっております。

展示は、12月25日(土)までです。