書棚特集コーナー『激流~渋沢栄一の若き日』
大佛次郎記念館2階展示室の書棚にて、書棚特集コーナー『激流~渋沢栄一の若き日』を開催中です。
洋画家の木村荘八が描いた原画1点、複製原画約10点を展示。詩情豊かな絵と、大佛次郎の文章をお楽しみいただけます。
2024年からの新一万円札の顔、大河ドラマ「青天を衝け」と、今話題の渋沢栄一(1840~1931)。
大佛次郎の『激流』は「日本経済新聞」で昭和26年(1951)9月から連載されました。
渋沢栄一22歳からの7年間、青年時代を描いた伝記小説です。
年代で言うと文久元年(1861)の暮れから、幕府瓦解後の明治元年(1868)で、テーマ展示で題材として扱っているパリ・コミューンとほぼ同じ時代と言えます。
血洗島で豪農の跡取りとして育った栄一が、攘夷倒幕論者から徳川慶喜の元で幕臣として働き、パリ万博使節団に随行、そのままパリで大政奉還を迎え、帰朝後〈独立自由〉の身として新しい門出を栄一が意識するところで、大佛次郎は作品の筆をおきました。
新聞連載時の挿絵は、洋画家の木村荘八(1893~1958)が描きました。
木村は、『霧笛』や『幻燈』など大佛次郎の開化小説に詩情豊かな絵を寄せています。昭和初期からの名コンビで、猫友達でもあった大佛と木村。お互いを引き立て合う、二人の文と絵で作品をお楽しみください。