おもちゃ絵「新板猫乃温せん」木村荘八作「猫の銭湯」等【展示の見どころ紹介】

おもちゃ絵は、江戸時代末頃から出された一枚刷りの錦絵(浮世絵の一種)。もともとは子供の鑑賞用であったことからおもちゃ絵と言われるようになりました。猫好きで知られる浮世絵師・歌川国芳の弟子たちが多く制作したことでも知られています。

前期展示(~8/20)では、おもちゃ絵「新板猫乃温泉」を展示しています。

新板猫乃温せん

このおもちゃ絵をモチーフに、洋画家木村荘八が描いたのが「猫の銭湯」です。大佛次郎は晩年、病室に木村荘八の「猫の湯屋」肉筆画を掲げて楽しんだそうです。「そぞろ歩き」というエッセイの中には、大佛次郎が荘八肉筆の「猫の湯屋」を病室の壁に掲げたところ、看護婦から「猫がお湯に入るのですか」と質問され、当惑したことなどが書かれているそうです。

 ※ 前期(~8/20)は版画を展示、中期・後期(8/22~)は肉筆画を展示予定です。

木村荘八・作「猫の銭湯」

さらに、大佛次郎が所蔵していた、吉田永光作 「猫の風呂屋」(細工物)も展示します。

こちらは、箱の背面に「永光造」という銘が入っており、押絵羽子板の名手である吉田永光(18771957)が作製したと思われます。非常に精巧に作られており、番台や排水溝、湯桶の水面のゆらぎなど、実に細やかです。

※ 吉田永光作 「猫の風呂屋」は、前期(~8/20)のみ展示します。

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