【書棚特集コーナー】鏑木清方が表紙を描いた雑誌「苦楽」
大佛次郎記念館2階展示室の書棚にて、書棚特集コーナー 鏑木清方が表紙を描いた雑誌「苦楽」を開催中です。
大佛次郎は、敗戦間もなくの1946年(昭和21) 9月、苦楽社を自ら興します。
そして 、11月に雑誌 「苦楽」 を 創刊、1949年までの期間に、全45冊を刊行しました。
長い戦時下での出版の統制から解き放たれた出版界は、活況を呈していました。
そんな中、大佛次郎が目指したものは「洗練と円熟」を特徴とする<成人(おとな)の文学>でした。
その象徴が、近代日本画の大家、鏑木清方(1878-1972)によって描かれた表紙絵です。
依頼当初、清方は紙や印刷の色彩の悪さ、自身の体調などを理由に固辞しましたが、
大佛次郎と編集部の熱意に応え、表紙絵の仕事を引き受けました。
清方が筆を執り、描き上げた表紙絵は34点(40冊分)に上ります。
書棚特集コーナーでは「苦楽」の実物を書棚いっぱいにずらりと並べました。
清方の表紙を一望する贅沢をご堪能下さい。
【開催期間】2023/07/01(土)~2023/12/10(日)
【前期】 開催中~9/24(日)
1946年11月の創刊号から1948年3月号まで(17冊)と、1949年5月「臨時増刊号」をかざった「無題」の色紙(印刷)
【後期】 9/26(火)~1/8(月・祝)
1948年4月号から1949年8月号までの(17冊)と、1947年5月号をかざった「牡丹」の色紙(印刷)