大佛次郎作『帰郷』の販売を開始しました

大佛次郎『帰郷』(小学館P&D文庫/B6判/448頁) 702円(税込)

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大佛次郎の現代小説「帰郷」は、1948年(昭和23)5月17日から11月21日まで「毎日新聞」に掲載されました。毎日新聞には昭和2年の「赤穂浪士」以来時代小説を多数執筆していますが、現代を舞台にした作品は数少ないものでした。

連載に先立つ作者のことばでは「小説らしい小説を書こうと思い立った」と綴り、「新しい舞台を踏む思いで作者の心も新らしくしてかかろう」と決意を語っています。

この作品により1950年に日本芸術院賞を受賞。のちに、フランス語・英語・イタリア語・ドイツ語・フィンランド語・中国語の6ヶ国語に翻訳され、7ヶ国で出版されました。また、1950年(監督:大庭秀雄、出演:佐分利信、木暮実千代 ほか)と、1964年(監督:西河克己、出演:森雅之、吉永小百合ほか)の2回、映画化されています。ちなみに1964年の作品では、舞台設定が一部変更されています。

 

【あらすじ】

太平洋戦争末期、マレーシアの古都マラッカ。元海軍将校の守屋恭吾はかつて公金に手を出し、妻子を残してヨーロッパに失踪した過去を持つ。高野左衛子は、マラッカで将校相手の高級料亭を経営しながら、ダイヤモンドを闇買いする美貌の女性。互いに激しく惹かれあい、一夜を共にするが、すべてを見抜いた恭吾に怖さを感じた左衛子は、恭吾を憲兵に密告、恭吾はスパイ容疑で逮捕収監されてしまう。

やがて敗戦となり釈放された恭吾は、二度と帰るまいと心に決めていた日本への帰国を決意するが、そこで恭吾が見たものとは…。