テーマ展示Ⅲ「大佛次郎の戦後ニッポン―未来を信じるチカラ」展の見どころ(その2)

大佛次郎記念館では、テーマ展示Ⅲ「大佛次郎の戦後ニッポン―未来を信じるチカラ」を開催中です。今回は、前半(ギャラリー右側)の第一部「焼け跡からの出発」の中から【若い人達に】の見どころを紹介します。

内閣参与を辞めた後、大佛次郎は、3つの雑誌に関わります。主筆(雑誌の中心となり主要な論説を書く職責)を務めた雑誌「學生」と、その後自ら苦楽社を立ち上げ主宰した雑誌「苦楽」と「天馬」です。

今回、大きく取り上げた「學生」は、全号の表紙を並べ展示しています。(雑誌の実物展示の他、不足の号は表紙のコピーでの展示となっています。)紙が不足していた時代にもかかわらず、彩色豊かな表紙が並び、作り手たちの心意気が伝わってきます。

雑誌「学生」昭23.8 月号

また「學生」の中では、大佛次郎は「鎌倉通信」というコーナーを受け持ち、体調を崩し入院した時でさえ原稿を欠かさなかったといいます。これらの文章には、日本の未来を担う当時の若者たちを励まし鼓舞する力のこもった言葉がいっぱいで、展示の引用箇所だけを読んでも現代を生きる私たちも勇気づけられるものばかりです。

これら41篇のエッセイは、その後研究社より『鎌倉通信』として刊行されました。

大佛次郎記念館では、大佛次郎の言葉を現代によみがえらせ、皆さまに味わっていただこうと、この展示に合わせて『鎌倉通信』の中から6つのエッセイを選びミニ冊子を作りました。1月末より受付のショップで350円で販売を開始します。ぜひ手に取って、大佛次郎の言葉に触れてみてください!

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