大佛次郎×ねこ写真展2018

来月20日から、大佛次郎×ねこ写真展2018「猫は生涯の伴侶」~大佛次郎は猫を愛した作家でした~ が、始まります。

「猫は生涯の伴侶」と語り、生涯で優に500匹は飼ったという大の愛猫家だった大佛次郎。この大佛次郎にちなんで開催するねこいっぱいの写真展。

 第1回目の昨年度は大変な好評を博し、多くのご来場者に恵まれるとともに話題にもなりました。第2回目の今回は、さらに会場となる場所を拡大して、ねこ写真ワールドを展開します。

会期:2018年2月20日(火)~4月8日(日)

会場:大佛次郎記念館 会議室ほか

料金(入館料) 高校生以上200円 中学生以下無料

写真展示1では、昨年に引き続き大佛次郎の文章とねこ写真のコラボレーションを行います。

お頼み申します」
珍しや、この山家の柴の扉を叩いて案内を乞う女の声、小野宗房は、読みさしの書を伏せて、聞き耳をたてた。真夏の正午は死んだように静か。庭前の櫟(くぬぎ)の老樹が物憂げに身を揺するごとに、その鬱蒼と冠(かぶ)った繁り枝の一葉一葉の囁(ささや)きさえが耳に入るほどである。
「お頼み申します」
宗房が狐の仕業かと思った途端にさらにはっきりと声が聞えた。

大佛次郎・作の「鞍馬天狗」シリーズ「女郎蜘蛛」は、このように始まります。この「女郎蜘蛛」の文章の中から、現在、次の12の一節をイメージした、ねこたちの写真を募集中です。(応募締切:2018年1月31日 応募方法や詳細につきましては、こちらのfacebookをご覧ください

(1)「お頼み申します」
(2)一葉一葉の囁(ささや)きさえが耳に入るほどである。
(3)女はにわかに羞(はず)かしげに目を伏せた。
(4)宗房卿、笑いごとではない。
(5)覆面の曲者は半町ばかりの距離を保って、二人の後をつけた。
(6)踊る胸を抑えて暗(やみ)の中にじっとすくんでいた。
(7)「おやおや、縮(しく)尻(じ)ったかい。月のないのが口惜しいねえ」
(8)二人は目を見合わせてなんということなく微笑した
(9)とぼとぼと頭をうなだれて行くお喜代の姿は、しょんぼりと寂しく見えた。
(10)「見上げたお心じゃ。失礼ながら感心致した。」
(11)「わかりました。わかりましてございます……」
(12)「お願いでございまする。どうぞお名前を聞かせてくださいませ……」

「女郎蜘蛛」の内容にご興味のおありの方は、記念館受付で『鞍馬天狗傑作選③鬼面の老女ほか』をお買い求めいただくこともできます。

 

 

 

十数年前に友人の好意で西貢から取り寄せたシャム猫が二匹、雄は早世したが、雌猫は一昨年の歳末まで生きてゐた。一代に何匹子供を産んだらうと妻に尋くと全部で五十匹を越えたらうと云ふ返事だったので今更驚いた。
雄猫が早く死んだことだったし、毛色の親に似た純粋なシャム猫は十匹と生れず皆弱くて育たなかった。残る大部分は、躯の形が親譲りの、すらりとして勁捷な感じで、毛色は黒い。
(略)
考へて見れば、この家だけで生れたシャム一族の子孫が五十匹ゐた。それが一匹づゝさかりのつく度に外へ出て繁殖を計ったとなると、十年間に凡そ、どれだけ沢山のシャム一族が町内に出現したことか、殆ど計算がつかぬ話である。一匹が五匹ふやしたとしても、五五、二百五十匹、ところが猫は一度に四五匹は必ず子を生むのだから、春秋二期を何年か重ねるとしたら一体、どういふ数字が出ることであらう。茫然とするくらゐのことであった。最初、たった二匹の猫が西貢から海を渡って来ただけのことが、かういふ結論を提示したのである。   大佛次郎のエッセイ「シャム一族」より

 

今回は、210名・555点ものご応募をいただきました。ご応募くださった皆様、ありがとうございます。今回も、会場いっぱいに展示いたしますので、どうぞお楽しみに!

※今年の作品募集はすでに終了しました。来年度の募集につきましては7月頃に案内予定です。

 

 

2階サロンを中心に、大佛次郎記念館所蔵の猫コレクションが登場します。上の写真にあるサロンも期間中は猫たちでにぎわうことでしょう。

 

 

このほか、会議室ではポストカードも、昨年以上に枚数を増やして販売を予定しています。

 

【連携事業の紹介】

港の見える丘公園を出てすぐ、谷戸坂の中ほどにある画廊「Art Gallery 山手」でも、2018年2~3月にかけて「猫・ねこ写真展」を開催します。

「猫・ねこ写真展」の詳細はこちらから

2018年7月には、横浜赤レンガ倉庫で、ねこ写真展(主催:ジャパンクリエイト)も開催されます。

「横浜赤レンガ倉庫 ねこ写真展」の詳細はこちらから