1871年6月

作品名称 1871年6月
Juin 1871
作者名 ピロテル
Pilotell (G. Pilotelle)
説明文 罪ある血に汚され 無垢な血に洗われた\n鋪道のまんなかに聳えたバリケードの上で\n十二歳の子供がひとり 大人といっしょに捕った\n「おい おまえは こいつらの仲間なのか?」\n「ぼくらはみんな仲間だよ」子供は答えた\n「よし おまえも銃殺だ 順番を待っていろ」と将校が言った\n子供は眼のあたりに見る 銃口が火を吹いて\n仲間たちが 壁の根もとに 崩おれるのを\n子供は将校に言った 「ぼく この時計を\nお母さんの処へとどけに行っていいですか?」\n「ずらかる気だな」「ぼく もどってくるよ」\n「小僧め おじけついたな 家はどこだ?」\n「向うの泉のそばです ぼく もどってくるよ」\n「行きやがれ! ふざけた奴め」子供は飛び去った\n「見えすいた計略さ」兵隊も将校もどっと笑った\nその 兵隊どもの 笑い声にいりまじって\n死んでゆく人たちの 断末魔の喘ぎが聞こえた\nしかし 笑い声ははたと止んだ 突然あの蒼白い子供が\nひょっこり姿を現わし ヴィアラのように堂々と\n壁を背にして叫んだ 「ぼくはここにいるよ」\nV. ユゴー\n[「バリケードの上で」大島博光『パリ・コミューンの詩人たち』より引用]
Sur une barricade, au milieu des pavés\nSouillés d'un sang coupable et d'un sang pur lavés,\nUn enfant de douze ans est pris avec des hommes.\nEs-tu de ceux-là, toi ? ― L'enfant dit : Nous en sommes.\nC'est bon, dit l'officier, on va te fusiller.\nAttends ton tour. ― L'enfant voit des éclairs briller,\nEt tous ses compagnons tomber sous la muraille.\nIl dit à l'officier : Permettez-vous que j'aille\nRapporter cette montre à ma mère chez nous ?\nTu veux t'enfuir ? ― Je vais revenir. ― Ces voyous\nOnt peur ! Où loges-tu ? ― Là, près de la fontaine.\nEt je vais revenir, monsieur le capitaine.\nVa-t'en, drôle ! ― L'enfant s'en va. ― Piège grossier \nEt les soldats riaient avec leur officier,\nEt les mourants mêlaient à ce rire leur râle ;\nMais le rire cessa, car soudain l'enfant pâle\nBrusquement reparu, fier comme Viala\nVint s'adosser au mur et leur dit : Me voilà. \n(V.Hugo)
シリーズ名/掲載媒体名 コミューン以前、最中、その後
Avant, pendant et après la Commune
本紙寸法 38×28cm
出版地 Londres
作品番号(作者番号-作品番号) 81-15-13
コレクション

パリ・コミューン関連資料

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引用

ピロテル and Pilotell (G. Pilotelle), “1871年6月,” 大佛次郎記念館アーカイブ, accessed December 3, 2024, http://osaragi.yafjp.org/archives/items/show/23021.

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